暮らしのヒントtips

目次

１．間接照明で落ち着きを演出する

２．光色で空間の温度感が変わる

３．和紙や竹素材とのコーディネート術

４．昼夜の使い分けで感じる“時間の流れ”

和室にぴったりの「間接照明」ってどんなもの？

和室に照明を取り入れるとき、いきなり天井からまぶしい光が降ってくると、ちょっと興ざめですよね。そんなときこそ、「間接照明」の出番です。間接照明とは、光を壁や天井に当てて、反射した優しい光で部屋を照らす方法のこと。直接目に光が入らないので、空間全体がふんわりと明るくなり、リラックスした雰囲気をつくってくれます。

和室照明として間接照明を選ぶことで、畳や障子の素材感がやさしく浮かび上がり、まるで旅館にいるような心地よさを演出できます。あなたの和室が、一瞬で「非日常」の癒し空間に早変わりするかもしれません。

障子越しのやさしい光で気持ちまでほぐれる

和室の魅力といえば、自然素材のぬくもりと、余白を大切にしたデザインですよね。そこに間接照明をプラスすると、光と影のバランスが生まれて、空間に深みが出ます。特におすすめなのが、障子の後ろに小さな照明を置くスタイル。すると、障子がふんわり光って、和紙の質感まで美しく見えるんです。

この「柔らかな光の層」は、視覚的なストレスを減らし、気持ちを落ち着けてくれる効果があります。1日の終わりに、間接照明の中でほっとひと息。そんな時間を自分にプレゼントしてあげたくなりますよ。

天井や床からの照明で空間に広がりを

和室 照明として間接照明を取り入れるとき、配置の工夫で印象はガラリと変わります。たとえば、天井の梁に沿ってLEDライトを仕込めば、上方向に光が広がって部屋が一気にモダンな雰囲気に。逆に、床の間や柱の根元に小さなライトを置けば、落ち着いた陰影ができて、まるで和の美術館のような仕上がりになります。

ポイントは、「光源が目に見えない」こと。そうすることで、光そのものではなく、照らされた空間や素材の美しさが引き立ちます。まさに、和室ならではの「引き算の美学」が生きてくる瞬間です。

どんなライトを選べば失敗しない？

間接照明といっても、種類はたくさんありますよね。和室に使うなら、まずは「電球色」のライトを選ぶのが正解。温かみのあるオレンジ系の光が、木のぬくもりや畳の色と相性バツグンなんです。白すぎる光だと、せっかくの和の雰囲気が病院っぽくなってしまうので注意しましょう。

ライトの形も重要で、和紙を使った行灯（あんどん）タイプや、木製のフレームがついたスタンドライトなら、自然に和室になじみます。最近では、スマート電球で色や明るさを調整できるタイプも人気。シーンに合わせて雰囲気を変えられるのは、ちょっとした楽しみになりますね。

「照らしすぎない」が和室照明のコツ

現代の照明は明るさ重視になりがちですが、和室では「暗さを楽しむ」くらいがちょうどいいんです。間接照明を使えば、照らす範囲をコントロールできるので、光のグラデーションが生まれて、どこか神秘的な空気が漂います。

テレビを見たり、本を読んだりする場面では、必要な場所だけをふんわり照らすと、目も疲れにくくなります。全体を明るくする必要はありません。むしろ、あえて「暗さ」を残すことで、和室の静けさがより深く感じられるようになりますよ。

和室の印象をガラリと変える魔法のような存在

間接照明を上手に取り入れるだけで、同じ和室がまったく違う表情を見せてくれます。昼間の自然光とは違った、夜ならではの落ち着きや癒しを演出してくれるので、夜の時間が楽しみになるはずです。もちろん、来客時にも「わぁ、なんだか素敵な空間ですね！」と褒められること間違いなし。

和室照明にこだわるなら、まずは小さな間接照明から取り入れてみるのがおすすめ。自分だけの心地よい光を探してみてください。

光の色で、空間の“感じ方”がこんなに違うなんて！

照明って、ただ「明るくするもの」だと思っていませんか？実はそれだけじゃないんです。
とくに和室照明を考えるとき、「光の色（光色）」が空間の印象を大きく左右します。
光色によって、部屋の温度感、落ち着き具合、居心地の良さがガラリと変わるんですよ。

たとえば同じ和室でも、白っぽい光を使えばスッキリと現代的に見えるし、
オレンジ系の光を使えば、一気にあたたかく、ほっとする空間になります。

あなたの和室にどんな雰囲気を持たせたいかによって、光色の選び方は変わってきます。
まずは「光に色がある」ってことから、ぜひ意識してみてくださいね。

電球色・昼白色・昼光色…どれが和室にぴったり？

照明の光色は大きく分けて3種類あります。それぞれに特徴と、向いている空間があります。

1つ目は電球色（でんきゅうしょく）。
ほんのりオレンジがかった、あたたかい色味で、旅館やカフェでもよく使われています。
和室照明としては王道で、落ち着いた雰囲気を作りたいときにピッタリです。
畳や木の色とも相性がよく、部屋全体をやさしく包んでくれます。

2つ目は昼白色（ちゅうはくしょく）。
白くて自然な光で、日中の太陽に近い色です。
スッキリとした印象で、作業をしたり、お掃除をするときには見やすくて便利。
ただし、電球色よりもやや冷たい印象になるので、
くつろぎたい空間には少し強すぎるかもしれません。

3つ目は昼光色（ちゅうこうしょく）。
青みがかった白で、とても明るくてシャープな印象を与えます。
病院やオフィスなどで使われることが多く、和室にはあまり向かない光色です。
「リラックスしたい和空間」には、ちょっと合わないかもしれませんね。

和室照明に使うなら、やっぱり電球色が一番しっくりくる選択です。
ただし、使い方次第では昼白色をアクセントに使っても面白いですよ。

光色を変えるだけで、四季を感じる和室に

日本には四季があり、それぞれの季節に合わせて和室の雰囲気を変えたくなりますよね。
でも、いちいち模様替えをするのは大変…。そんなときは、光色を変えるだけでOKです！

たとえば冬は電球色で、温かみのある空間にしてみましょう。
こたつや和風の毛布とも相性がよく、心までぽかぽかになりますよ。

逆に夏は、昼白色に近いスッキリした光にすれば、清涼感のある和室に早変わり。
障子から入る自然光と組み合わせれば、涼しげな「和の避暑地」のような雰囲気も演出できます。

最近では、スマート電球を使ってワンタッチで光色を切り替えることもできるので、
季節や気分に合わせて、光の「衣替え」を楽しんでみるのもおすすめです。

光色＋間接照明で、くつろぎレベルが倍になる

光色の効果をさらに高めるには、間接照明との組み合わせがベストです。
間接照明は光源が見えない分、光色の“にじみ方”がとても自然に感じられるんです。

たとえば、電球色のライトを障子の裏や天井の梁に仕込んでみてください。
やわらかく反射する光が、まるで夕暮れ時のようなやさしい雰囲気を演出してくれます。
この組み合わせで、和室照明の心地よさがグッと引き立ちますよ。

間接照明は暗すぎるのでは？と思われがちですが、
光色が温かいと、「明るさ」よりも「心地よさ」を優先できる空間になります。
くつろぎたい夜の時間帯には、まさに理想的な灯り方です。

自分の「好きな光色」を見つけよう

和室照明は、“雰囲気をつくる道具”だと考えると、選ぶのが楽しくなります。
何を基準に選べばいいかわからない方は、まずは「自分が落ち着く色味」を探してみてください。

最近の照明器具は、スマホで色温度を調整できるものも多く、使い勝手もかなり良くなっています。
試しにいくつかの光色を夜の和室で試してみると、「あ、これが好きかも！」という発見があるはず。

あなたの感覚を大切に、和室にぴったりな光を見つけてくださいね。
部屋は照明ひとつで、こんなにも「居心地」が変わるんだなと実感できるはずです。

和室に似合うのは、やっぱり「自然素材のあかり」

和室といえば、畳に障子、木の柱。そんなナチュラルな空間には、
やっぱり自然素材の照明がしっくりきますよね。

中でも「和紙」と「竹」は、和室照明に使う素材として本当に優秀なんです。
それぞれに独特の表情があり、光が通ったときに見せるやわらかい影や風合いが魅力です。

人工的な素材の照明も便利ですが、和紙や竹を使うと、ぐっと“空間の格”が上がる感じがします。
あなたの和室をもっと心地よく、もっとセンスよく見せたいなら、このふたつの素材は見逃せませんよ！

和紙の照明で、光がまるく、やさしくなる

和紙を使った照明は、とにかく光がまろやかで、部屋全体をふんわり包み込んでくれます。
まるで「やさしい光の布団」みたいな印象で、リラックスした空気が一気に広がります。

特におすすめなのは、和紙の行灯（あんどん）や、ペンダントタイプのシェード。
障子と同じような質感なので、部屋全体のトーンが統一されて落ち着きが生まれます。

さらに和紙は、模様や繊維の入り方によって光の表情が変わるのが楽しいところ。
手漉きの和紙なら、光がゆらいで、まるで炎のようなあたたかみを感じられるんです。

夜、電球色の間接照明と組み合わせれば、心までほっとする「癒しの空間」が完成します。
あなたの和室が、旅館の一室のような上質な雰囲気になること間違いなしですよ。

竹素材の照明で、影までもインテリアにする

一方、竹素材の照明には、また違った魅力があります。
光が竹の編み目を通して広がることで、壁や天井に独特の影模様が浮かび上がるんです。

この「影をデザインにする」という発想が、和室照明の楽しさでもあります。
ただ明るくするのではなく、光と影のバランスで空間を演出できるのが竹素材の面白いところ。

たとえば、床置きのスタンドライトに竹かご風のシェードを合わせてみると、
ほんのりモダンで、なおかつナチュラルな印象になります。
和室の伝統的な雰囲気を壊さず、ほどよく遊び心をプラスできるのが魅力です。

もちろん、竹も和紙と同じく自然素材なので、畳や木との相性は抜群です。
夏は涼しげに、冬は温かみを感じさせてくれる、季節を問わず活躍してくれる素材ですよ。

和紙×竹で、ワンランク上の和モダン空間に

和紙と竹、それぞれの照明が持つ魅力を知ったら、次に挑戦したいのは素材のミックス使い。
たとえば、和紙のシェードに竹の骨組みを使った照明器具なら、
両方の良さを活かしながら、すっきりと洗練された印象に仕上がります。

この組み合わせは、古き良き和の雰囲気を残しつつ、現代の暮らしにもぴったりマッチするんです。
いわゆる“和モダン”スタイルを目指すなら、この和紙×竹のコーディネートがとてもおすすめ！

さらに、照明の位置にもこだわってみましょう。
低めのスタンドライトで床まわりを照らせば、陰影が強調されてムードたっぷりになります。
壁掛け照明にすれば、目線の高さにあたたかい光が入って、部屋全体がほっこり落ち着きますよ。

照明も「見せるインテリア」にしてみませんか？

和室照明って、ただ明るさを確保するためのものじゃないんです。
素材感、光の広がり方、影の出方——全部含めて立派なインテリアの一部なんですよ。

だからこそ、和紙や竹のような「見た目にも美しい素材」を選ぶ価値があります。
昼間は照明をつけていなくても、オブジェのように楽しめるデザインも多いですし、
お客様が来たときにも、「この照明、すてきですね！」と褒められること間違いなしです。

もし今、シンプルな天井照明しか使っていないなら、
ぜひもうひとつ、サブの照明として和紙や竹のアイテムを加えてみてください。
空間の印象が一気に変わって、あなた自身も「和室ってこんなに心地いいんだ！」と驚くはずです。

光のリズムで、あなたの和室がもっと快適に

和室って、不思議と時間の流れをゆっくり感じられる空間ですよね。
畳に座って、外の光を感じながら過ごすひとときは、なんとも言えない贅沢な時間。

でも、その「心地よさ」をさらに高めるカギがあるんです。それが昼と夜の照明の使い分け。

実は、和室照明を時間帯によって変えるだけで、暮らしのリズムが整い、気持ちまで変わってきます。
毎日の生活に「自然な時間の流れ」を感じたいあなたには、ぜひ取り入れてほしい照明術です！

昼は自然光を主役にして、照明はサポート役に

まずは日中の過ごし方から。和室の魅力といえば、やっぱり自然光との相性の良さですよね。
障子越しに入るやわらかな光が、畳の色をほんのり照らしてくれて、とても落ち着いた空間に。

この時間帯は、照明をガンガン使う必要はありません。
むしろ、自然光を引き立てるような照明が理想的です。

たとえば、窓からの光が弱い日や、部屋の奥が少し暗い場合だけ、
間接照明やスタンドライトでそっと明るさを補うイメージで使いましょう。

光色は「昼白色」や「温白色」など、白くて自然な色味が◎。
明るすぎず、暗すぎず、あくまで自然の光に寄り添うようなトーンが落ち着きを与えてくれます。

和室照明って、こういう“控えめな演出”が一番映えるんです。

夜は光のトーンを落として、心をほどく時間に

日が暮れたら、和室の表情は一変します。外の光が消え、照明だけが空間を包み込む時間。
この夜の時間こそ、「照明の力」が本領を発揮する瞬間です。

夜の和室では、電球色のやさしい光をメインに使いましょう。
白っぽい光は活動的すぎて、体も頭もリラックスできません。
ちょっと暗いかな？と思うくらいの光が、心地よさをぐっと高めてくれます。

おすすめは、和紙や竹の間接照明。光源が直接目に入らず、空間全体にあたたかさが広がります。
天井全体を照らすより、低めの位置から光を当てるとより落ち着いた雰囲気になりますよ。

テレビを見たり、読書をしたり、家族と話すひととき。
夜の和室は、照明によって「心のオン・オフ」が自然に切り替えられる場所なんです。

昼夜の切り替えが“心のスイッチ”になる

面白いことに、照明を時間帯に合わせて使い分けることで、
体内リズムやメンタルにも良い影響があるといわれています。

朝は自然光と共にゆっくり起きて、昼間はスッキリ明るく。
夕方から徐々に光を落として、夜はやわらかな光でリラックス。
そんな風に照明で「1日の流れ」を整えていくと、
自然と生活にメリハリが生まれ、ストレスも減ってくるんです。

特に在宅時間が長い今、家の中で「時間の感覚」を失いやすくなっていますよね。
そんなときこそ、和室照明を活用して一日のリズムを“光”で演出してみてください。

そして、照明のスイッチを入れるという動作そのものが、
「さあ、次の時間へ行こう」という小さな心の切り替えスイッチにもなってくれますよ。

照明で“時を感じる”空間をつくろう

和室には、もともと「時間を味わう」文化が根付いています。
季節を楽しみ、天気を感じ、日々の移ろいを大切にする——まさに日本らしい美意識ですよね。

そんな空間に、昼夜で使い分ける照明を取り入れれば、
もっと豊かに「時間の流れ」を楽しめるようになります。

しかも、今は調光・調色ができるスマート照明も増えているので、
難しい設定なしで、簡単に昼と夜の使い分けができちゃいます。

今日は明るく過ごしたい、今日は静かに休みたい——
そんな気分の変化にも、光が自然に寄り添ってくれるんです。