商品の価格は誰が決めるの?VISION.06
目次
1.商品の価格は誰が決めるのか?
すべてのモノは誰かによって作られています。
でもその作られたモノが「商品」となるのはそのモノを「買う」人が現れることによってです。
つまりすべての「商品」は、それを作る人とそれを買う人との共同作業の結果として生み出されるもの、と言っていいでしょう。ところが実際の売買の場面を思い浮かべてみればわかるように「作る人」と「買う人」の間には、その両者をつないでくれる「売る人」という存在がなくてはならない場合がほとんどです。そして商品の価格はこの三者の成り行きによって決まります。
つまり商品の価格は誰かが勝手に決めるものではなくこの三者によってなんとなく決まっていくものです。
メーカーサイドの思惑
商品を作る人(=メーカー)からすれば、その商品を作るのに費やしたものや事の値段(=原価)があるわけですし、また自分の活動を継続してゆくための未来への投資(=利益)を含めて、このくらいで売れて欲しいという価格(=希望小売価格)があります。
ところが今述べたように、メーカーの思惑だけで商品の価格が決まるわけではありません。
メーカーと売る人(=販売店)を合わせて「メーカーサイド」と呼ぶことにするなら、メーカーも販売店も自身の利益が最大になるように価格(=小売価格)を決めたいと考えています。そして最大利益は小売価格とその販売数によって決まります。
その際の戦略は大きく2つに分けられます。安くたくさん売るか、高く少し売るか、です。
このどちらの戦略を取るかでメーカーサイドの思惑を計り知ることができます。
市場からの要請
実際に何がどのくらい売れるのかは、売ってみないとはわかりません。
ですが、これまで多くのメーカーサイドは上記戦略のうち、安くたくさん売る、という判断していました。
そしてそれはそれを買う人(=購買者)の気持ちと合った判断だったのです。あまり変わらない性能のモノなら安い商品の価格は誰が決めるのか?
モノを買う。それが購買者の気持ちです。ですから性能の向上が頭打ちになる中メーカーサイドはいかに安く売るかを競い合いました。ところがそうした戦略を覆してみせたのがApple社のスマホ「iPhoneX」の登場(2017年)でした。2012年、iPhone5で飛躍的に売上を伸ばしたAppleは2015年に最高売上を記録するも2016年に初めて売上を落とし、2017年も同様でした。当時格安スマホが次々と出てくる中、さしものiPhoneも苦戦していたのです。
前年のiPhone8もかなり高価格設定でしたが、その翌年Appleはそれをさらに上回る価格でiPhoneXを発売しました。すると、販売台数はそれほど増えませんでしたが、売上は20%増という伸びを見せました。
他社が「安くたくさん売る」戦略を取る中で、Appleは「高く少なく売る」戦略を取り、見事に成功したのです。
このことから、高いと売れないというわけではなく、商品力があれば高くても購入する人たちはいるということをメーカーサイドは知りました。
そうしたことが現在「プレミアム家電」と呼ばれる高性能‧高価格の商品の開発につながっているのかもしれません。
2.価格帯とは何か?
前項でみてきたように、商品価格はメーカーサイドの思惑と購買者の購買活動との相互作用で決まります。
ですからメーカーサイドからすれば、購買者の購買意識は気になることでしょう。ここにそうした購買者の購買意識をうかがい知ることができる面白い意識調査があります。(『家電購入に関する意識調査を実施』)これによると、「東洋経済オンライン読者」であるかどうかで、その購買意識に違いが見られる、というのです。この記事のまとめをまとめると次のようになります。
「東洋経済オンライン読者」は、高価格帯の家電を選ぶ割合が非読者よりも高い。
「読者」は、検討の情報源としてインターネットの記事を参考にする割合が非読者よりも高い。
このことは、東洋経済オンライン読者であるかどうかということはともかく高価格帯の家電を選ぶ購買者層とそうではない購買者層がある、そして高価格帯の家電を選ぶ層は情報源としてインターネットを使っている、ということを教えてくれます。
低価格帯の世界
今や家電製品は生活インフラといってもいいぐらいに、日常生活になくてはならないものです。
ですが「なくてはならない」という事態は容易に「あればいい」という意識を呼び起こします。
そこから「だったら安いほうがいい」という結論に至るのは光の速度を超えているかもしれません。
あればいいという意識の購買者に向けて売られている製品は本当に「あるだけ」のものになってしまいます。購買時点にそこにあればいいのです。購買後すぐに壊れたとしても問題はないのです。
購買時点には 「あった」(こわれてなかった)ことは確かなのですから。
使い勝手もそれなりのものでしかないでしょう。
その製品を作る時に「使う」ことはあまり考えられてないからです。
買ってすぐに壊れるし、使い勝手がどうも良くない。そうした小さな不具合に目をつぶることができるあるいはつぶらざるを得ない人たちがそうした低価格帯の製品の購買者です。
ちょっと極端な言い方になってしまいました。ごめんなさい。実際はそんなひどい製品はほとんどないですし、そうした不具合は決して小さいものではありません。ですがわたし自身の経験からしても、仕事などを優先することで「日常生活」にあまり重きを置かない人は結構おられると思います。
そうした人にとってはとりあえず使える安い家電はとてもありがたいものです。
高価格帯の世界
どうせ「なくてはならない」のならできるだけ高性能‧高品質な製品を選びたい。そう考える人たちもおられます。こうした人たちはどの製品が高性能なのか高品質といわれているのか、そうしたことを知るためにインターネットから情報を得ることが多い、というのが先に記した「高価格帯の家電を選ぶ購買層」の人たちです。
いってみれば「情報」を重視し、その「情報」によって自らの日常生活をより心地よいものにしたいという人たちです。そしてそうした人たちに向けて作られているのが高価格帯の家電製品です。
知る人ぞ知る的な緻密なアイデアの積み重ねによって作られたそうした製品は、きっとそれを作る人もそれを売る人もそれを買う人もみんなを豊かにしてくれる製品です。
その製品を使って生活するなら、それまで知らなかった知識や思ってもいなかった感覚に気づくはずです。
そうした小さな世界の広がりはその次の新しい世界発見への礎になるに違いありません。
ですが、そうした商品はなんせ高価格ですから、それがどんなに素晴らしくともそれなりの意識をもたなければ購入するという行動には移し難いものです。
3.ラクリアーズの価格設定
ラクリアーズはあなたに家電製品をサブスクという形で提供します。
サブスクというからにはあなたから定期的にその製品の使用料をいただくわけです。
ここではわたしたちがその料金をどのような思いで決めているかお話します。
ラクリアーズはどうやって価格を決めているか?
ラクリアーズは製品を作っているわけではありません。他社の作った素晴らしい家電製品をあなたにサブスクという形で提供するのがわたしたちの役目です。そしてサブスクという形態は、わたしたちのサービスを使ってくださるあなたとわたしたちラクリアーズとのおつきあいが長く続くということを意味します。小売りのようにあなたにその製品を買っていただいておしまいというわけにはいきません。
ラクリアーズは自らの役目を「製品を使っていただけるあなたとお知り合いにならせていただく」ことだと考えています。
知り合いになるとは、お互いをよく知る関係性を築くということです。ですからわたしたちはあなたにわたしたちのことをよく知っていただきたい。そしてあなたのこともよく知りたいのです。
今の住まいは仮のものだから1年いるかどうかだ、というあなたへはその1年間をより豊かなものにしていただけるよう、1年間用の提案をさせていただく。
ここにはもうずっと住むつもりだというあなたにはより長いおつきあいができるスマートな提案をさせていただく。などなど、あなたの暮らしぶりに合わせた製品をあなたのために提案させていただきたい。
そうした考えを元にしてラクリアーズはサブスク価格を決めています。
ですから同じ製品でもあなた次第でどのようにもその価格は変化します。
あなた次第で選んでいただけるよう、製品もよりどり用意します。
どれにしようかと迷っておられるあなたにはこんな製品はいかがでしょう?とこちらから提案させていただきます。そうしてあなたとお知り合いになり、あなたと同じ世界であなたと仲良く暮らしていきたい。
そうしたあなたとわたしたちでいられればそれで十分なのです。
サブスク価格の生み出す世界
先に同じ製品でも高価格帯のものとそうではないものがあるというお話をしました。高価格帯にある製品は高機能‧高品質であるがゆえに高価格です。
でも今⼀度、そこで使われている「高価格」ということばの意味を考えてみます。
当たり前のことですが、高価格というのはその製品を「買う」ために必要な金額が高額だということです。
そして高額というのはそうではない値段との差が大きいということです。これを簡単に言い換えると高価格な製品の場合、それを「買う」ために必要な金額と、そうではない製品を「買う」ために必要な金額との「差」が大きい、ということです。あれ?ちっとも簡単になっていませんね(笑)。
要するに、ここでのキーワードは「買う」です。
買おうとするからその製品は高価格なのです。もし「買う」ではなく「使う」に考えをシフトできるならどうでしょう?
そして製品を「買う」ではなく「使う」ことに移行したサービスをわたしたちラクリアーズがご提案させていただいているサブスクというサービスです。
もちろん高機能‧高品質な製品はサブスクの世界でもそうでない製品よりもサブスク料金は高くなります。
ですがその「差」は「買う」としたときのそれと比べてずっと小さいのです。
実際、同じ機能を提供する製品があったとき、多くの方はより高機能の製品を選ばれる傾向にあります。
つまりサブスクの生み出す世界には「高価格」という概念があまり意味を持たないのです。
ですから多くの方はその機種の中の最高機能‧最高品質のものを選ばれる。
先の意識調査的にいえばこうなります。
「ラクリアーズの製品を使っていただいている方々」は、高価格帯の家電を選ぶ方の割合がとても高い。
多くの人がより高機能‧高品質な製品を使って暮らしている世界。
それはそうした製品を使っているあなたのみならず、そうした製品を創り出したクリエーターをも豊かにする世界です。そしてなによりわたしたちの環境にも未来にもよりよい世界なのではないでしょうか?